会社標本調査 黒字法人の所得金額69兆7456億円で過去最大
2020/06/02
国税庁はこのほど、平成30年度分「会社標本調査」の調査結果を公表した。
この調査は、日本の法人企業について、資本金階級別や業種別にその実態を明らかにし、併せて租税収入の見積り、税制改正や税務行政の運営等の基礎資料とすることを目的としたもの。今回の結果は、平成30年4月1日から平成31年3月31日までの間に終了した各事業年度を対象として、令和元年7月31日現在で取りまとめたもので、同調査におけるサンプルは約186万社。
それによると、法人数全体は273万8549社で、前年度より3万1922社増加した。全体の法人数のうち、連結親法人は1751社、連結子法人は1万3256社。全体の法人数から連結子会社の数を差し引いた272万5293社のうち、利益計上法人は103万2670社(前年度比2.6%増)で8年連続の増加。欠損法人は169万2623社(同0.3%増)で9年ぶりの増加、欠損法人の割合は前年度より0.5ポイント減少の62.1%で9年連続の減少となった。これを連結法人(1751社)について見ると、利益計上法人が1144社、欠損法人が607社で、欠損法人の割合は34.7%。前年より1.3ポイント増加した。
営業収入金額は1547兆7854億円で、前年度より28兆3203億円の増加。このうち、利益計上法人の営業収入金額は前年度より32兆5966億円増加の1269兆268億円で3年連続の増加。所得金額は前年度より1兆8019億円増加の69兆7456億円で9年連続増加し、過去最大となった。
法人税額は12兆1638億円で、前年度より1866億円増加。所得税額控除は前年度より7082億円増加の4兆2578億円。外国税額控除は782億円増加の6126億円だった。繰越欠損金の当期控除額は、前年度より834億円増加の8兆4461億円。翌期繰越額は5兆6240億円減少の63兆3648億円。
交際費等の支出額は、前年度より1515億円増加の3兆9619億円。税法上損金に算入されない金額は1兆487億円で、支出額に占める割合は26.5%だった。また、寄附金の支出額は、前年度より330億円増加の7940億円だった。